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私達の平和を考える(第四次3時)〜劣化ウラン弾がもたらしたもの〜(5年:総合的な学習)
実践:3月上旬 / UP:4月11日
<提示資料>

・ イラクの子どもたちの写真

・ カイナール村(カザフスタン共和国セミパラチンスクの核実験場付近)の人々の写真
・ ロシア・チェリャビンスク核工場の周辺の人々の写真
・ ビキニ環礁の人々の写真


 フォトジャーナリスト、森住 卓(もりずみ たかし)さんの写真をお借りし、子どもたちに提示した。森住さんは、我が身の危険も顧みず、これまで4度イラクを訪問し(4度目は2004年4月10日に帰国)、劣化ウラン弾の被害と脅威を取材し続けている人で、我々に現場の生の姿を伝え続けている。
 その写真は、思わず目を覆いたくなるほどのものから、屈託のない笑顔のものまで様々だが、どれも戦争の虚しさ・愚かさ、優位に立つ人間の傲慢さ、核被害の凄惨さが伝わってくるものばかりで、我々は心して見なければならない。
 今回は写真集「Children of the Gulf War」と、「森住 卓ホームページ」から数点をお借りし、子どもたちに提示し、説明した。

  
 写真を見るに先立って、劣化ウラン弾の原料・性能・威力・半減期・生命や環境への影響、世界で行われてきた核実験等について、ホームページや新聞記事等の資料をもとに、子どもたちと学習した。劣化ウラン弾の特性や、核実験が人々にもらたした被害の様子等に、子どもたちはとても驚いていた。

・ 使用された地域では、ガンや異常出産が大幅に増加した。
・ 従来の核兵器より安価で購入しやすく、持ち運びやすいものとして開発された。
・ 自国で処理しきれない、核のゴミを搭載している。
・ 世界中ですでに17カ国が保有している。
・ 放射能は、放出され続ける。半減するには45億年も必要であること。
・ 核実験場や核工場周辺に住む人々の命や幸せが、奪われ続けてきたこと、等々

 こうした予備知識を持って見たイラクやカイナール等の写真は、子どもたちに大きな衝撃を与えた。善良な人々が、こんな目に遭わされていることへの怒りや、理不尽さ・不条理さ・許し難さ・憤り等々を、子どもたちは口々に語った。
 

<ビデオ「砂漠の嵐」>
 
 次に、中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが制作した「砂漠の嵐」を視聴した。劣化ウラン弾による死や健康被害は、湾岸戦争で従軍した兵士や家族の身にも現れている。それなのに、放射能の脅威を伝えようとした医者や兵士を解雇したり、脅したり、そんなことをするなんて、ましてや被曝を承知でこの兵器を使うなんて、これを狂気と言わずして、何と言えばいいのだろう。埋蔵資源と支配欲に目が眩み、方向性も人間性すら見失っているとしか思えない。
 反対に、国境を越え、海を越え、アメリカやイギリス、ドイツなどでも地道に取材し、多方面からの資料を盛り込んでこの番組を制作したアルジャジーラには、改めて感謝と敬意を感じる。そして、二次被曝も承知の上でイラクを訪れているボランティアの人々、ジャーナリストたちへ、尊敬の念を感じずにはいられない。彼らによって我々は、真実を見つめる機会が与えられ、冷静に考えることができるのだから。(特に、写真使用をイラクの地から快くメールで許可して下さった森住さん、ありがとうございました。無事に帰国して下さって、何よりでした。)
 
 さて、ビデオは、劣化ウラン弾の構造等々、子どもたちにとっては分かりにくい場面もあるにはあったが、貴重な映像が数多く盛り込まれ、これまで報道されなかった事実や現実もよく分かり、とても意義深い資料だった。
 
 折しも、民間の人々を支援するためにイラクを訪れていた3人の日本人が拘束され、今、命の危機にさらされている。3人が無事に解放され、侵略者側の軍隊として歓迎されない自衛隊がイラクから撤退し、イラクの人々が自分たちの力で国を再建し、守っていくことができる日が、早く来ますように。
  
<終わりに>
 私にとって、5年生の子たちと学び合った今年度の平和学習は、「知り、自分の頭で考えることの大切さ、行動することの尊さ」を、思い知らされた学習だった。
 第三次は、3月にさしかかり、卒業式の準備やら、お別れ集会の練習やらで、あまりに慌ただしく、十分なまとめにならなかったのだが、たくさんの方々の尊い協力によってできた授業ゆえ、どんなに足りなくても至らなくても、ちゃんと振り返っておかなくっちゃと、1ヶ月も経って、子どもの感想文もないままに、こうしてUPした次第である。(ふぅ〜、恥ずかし!) 
 今を生き、未来の土台を築く我々は、世界で起こっていること、我々が巻き起こしてしまっていることを、しっかり見つめ、謙虚な態度で改善していかなければならないし、そのためにできることを、1つでも探して行動する義務があるのだと思う。全く力不足だが、私はこうして授業を通じて、子どもたちと考え合っていくことを、これからも続けていきたいと思う。

 きかんしの宇田川さん、森住卓写真展の福間さん、VIDEO PRESSの松原さん、旧日本軍通訳の永瀬さん、風の回廊の村上さん、中川さん・・・、ご援助下さって、ほんとうにありがとうございました。中途半端な終わり方で、ほんとに申し訳ありません。 

 高遠さん、今井さん、郡山さん、そして彼女らと同じように拘束されている人々の、解放と無事帰国を、心から祈っています。


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