マザー・テレサ  (5年:国語科)



後日・・・ケンカしてすねている友達を慰めていた子が、
「せっかくマザー・テレサの勉強したんだから、人のことももっと考えようや。」
などと言っていた。

少しでも子どもの心に残る授業ができたのかもしれないと思うと、ちょっと嬉しかった。
こうやって、学びを生活に生かそうとしている子がいるんだから、これからも頑張らなくっちゃと思う。




<指導案より>
1 研究主題
 「確かな学力を身に付け、自ら学ぶ子どもの育成」(1年次)
      〜他者とのかかわりを大切にし、コミュニケーション力を高める授業づくり〜
2 研究仮説
 人物の行動を支える願いや思いを考えたり、それを聞き合ったりすることで、他者とのかかわりの大切さに気付き、コミュニケーション力を高めることができるのではないか。
3 研究主題へのアプローチ
 【他者とのかかわりの大切さに気付くために】
 授業では、「友から学ぶ、共に学ぶ」という姿勢の指導に徹したい。そのため、二人組での対談や代表児童によるパネルディスカッション・小グループでの話合いなど、形態を変えた話合い活動を積極的に取り入れ、一人ひとりの話す力・聞く力を伸ばしたい。話合い活動では、友達の考えと自分の考えを比べながらじっくりと聞くことや、自分の考えを友達の意見に絡めて発言することを重点的に指導して、かかわり合う楽しさ・喜びを実感させたい。
 また、教材からは、人は愛に支えられた他者とのかかわりの中でこそ安心して生きていけることを読み取らせると共に、自分の在り方を省みながら希望を持って生きることを学ばせたい。

 【コミュニケーション力を高めるために】
 本学級が、友達の考えを温かく受け止める土壌・風土のある学級かどうか、まずは謙虚に振り返りたい。授業では、話したい・聞きたいという意欲が誰の胸の内にも育つよう、魅力的な学習課題作りの支援に努めていく。また、学習課題に対する自分なりの考えがもてるよう「一人読み」の時間を十分に確保し、友達の意見に対しては、互いにうなずいたり、質問し合ったりできるよう仕向けたい。更に、こうした学習を通して自らの考えを修正できる力が身に付けば、それが新たなコミュニケーションを生み、一人ひとりの豊かで確かな生き方に繋がるのではないかと期待している。

人間の生き方をえがいた作品を読もう「マザー・テレサ」(第二次6/6時)
平成22年10月27日(水)5校時 5年2組教室
本時について
(1)ねらい  「今も人々の中に生きているテレサの心」とは何か考え、話し合う。

(2)評価              
  ア 叙述や友達の意見を手がかりに、「テレサの心」とは何かを考えることができたか。【読む】
  イ 根拠を明らかにして話したり、話し手の意図を考え自分と比べながら聞いたりしたか。【話す・聞く】

(3)準備 ワークシート(希望数)

(4)前時の学習=グループ課題について、各自が読み取ったことをノートに書いた。
次時の学習=テレサの魅力や、生き方から学んだこと等を「生き方新聞」にまとめる。

(5)本時の展開
 本時の課題確認
○ 共通課題「『今も人々の中に生きているテレサの心』とは何だろう」を確認。これは第一次で、みんなで話し合って作った課題だ。
○ 各自が自分のノート(ワークシート)を見て、グループ課題と、前時に記入した自分の読み取りを確認した。・・・(注)本単元では、ワークシートは希望者だけに配布した。「自分の考え」「その根拠」「友達の考え」「更に深まった自分の考え」という文字と、枠だけのシートだが、学習の見通しが持てる(手順の確認ができる)ためか、進んで取りに来る子どもが毎時間5〜6名いた。

<ワークシート>

<ノート>
多くの子どもは、自由の効くノートを好んで使用した。
 グループ内で、グループ課題について話し合った。
○ 司会者を決めさせ、話型に従って進行させた。
○話す時は、根拠を明らかにして相手の反応を見ながら、聞く時は話し手の気持ちを考えながら聞くよう指示した。また友達の意見をノートにメモする時はキーワードを聞き取って書くよう伝えた。(評価イ 話し合い)・・・聞き方の「あいうえお」の確認。
「あ」=相手を見て
「い」=いい姿勢で
「う」=うなずきながら
「え」=鉛筆でメモしながら
「お」終わりまで聞く。
(グループ課題)・テレサが慕われる理由 ・テレサの貧しい人への思い・テレサの心とは何か・「貧しい人は美しい」とは・貧しい人々の気持ち
 グループで話し合ったことを、全体で発表し合った。
 本時の学習を振り返った。
○ 机間巡視し、自己の成長や読み取りの深まりを自覚した児童を賞賛した。 (評価ア 発言・表情・ノート)
<↓学習活動2:グループでの話し合い>
これまでは、一人ひとりが順番に自分の考えを発表するだけで時間が来てしまうことも多かったが、
最近になってやっと、質問し合ったり考えを補完しあったりできるようになってきた。
 

 

 
グループの人数は4人を基本としたが、同じパターンの授業を5時間やっているうちに、
課題作りあたりでどうしてもうまくいかなく(険悪に)なったり、読み取り能力の違いにより、
意欲を失いそうになったりする子どもがいた。そのため、本時までに多少変更し、
結果、2〜5人のグループで落ち着いた。



<↓学習活動3:クラス全体での話し合い>
グループ課題と話し合いの結果を報告し合い、そこから共通テーマに向かって行った。

みんなよく頑張った。バンバン発表した。
 
 
学習活動3での子ども達の発言
<貧しい人の気持ち>
 (裏の家の人に、テレサからもらったお米をすぐに分けた人は)自分も貧しくて食べ物がない気持ちが分かるから、協力して生きていかないといけないから、裏の家の人に分けたんじゃないかと思う。
 貧しい人達は、家族のように助け合っていると思う。
 「どんなに厳しく辛い生活であってもテレサの顔から笑顔が消えることはない」と書いてあるから、テレサが亡くなった後、テレサが残していったものを見るたびに、いつでも笑顔のテレサを思い出すと思う。 
<マザー・テレサの気持ち・人柄・人物像>
 (「貧しい人は美しい」とは、)貧しい人はみんなで協力しているからテレサは美しいと思ったのだと思う。
 テレサは笑顔の消えない優しい人だ。
 普通の暮らしをしていたのに、わざわざ貧乏になって、貧しい人を愛せるのがすごい。
 「明るくて気さくな、アイディアとユーモアにあふれた人として誰からも慕われているのだ。」という記述から、どんな時でも嫌な顔をしないのですごいと思った。
 貧しい人達と同じ生活をしたから苦労が分かるのだと思う。テレサは人の気持ちをとても大切にしている。
 一人ひとりの人間を限りなく大切にするのがテレサの心だと思った。
 教育を与えて将来人の役に立つ人になるよう考えたり、「死を待つ人の家」など、いろいろなことをして人を助け、嬉しかったと思う。「笑顔が絶えることがなかった。」と書いてあったから。
 貧しい人が持っている優しさがよく分かった人だった。
 貧しい人だからこそ持っている優しさに、共感したのだと思う。
 共感した人や協力した人にもテレサの気持ちが伝わって、今も人々の心の中で生きているのだと思う。

<学習活動3について>
叙述に立ち返りながら、テレサが心の底から人を愛したこと、
一人ひとりの人間を限りなく大切にしたことを確認し合った。
また、テレサが亡くなった時、沿道には数十万人が詰め掛け、手製の祭壇で祈りが捧げられた
という叙述を基に、テレサと人々の心のつながりをしっかり想像させた。

その後、里子に貰われていく 子どもを笑顔で見送るマザー・テレサや、
日本人で初めてテレサのもとでボランティアをした人、週に1度のボランティア活動を楽しみに
している大使館員の妻の写真など、写真家 沖 守弘さんの写真を数点紹介した。




<学習活動4について>
予定では、テレサは何を我々に言いたかったのか考え、ノートに書くよう指示しようと思っていたのだが、
敢えてその視点は与えず、自由記述とした。子ども達自らが、もう答えを導き出していためだ。
みんなで築き上げた学習の余韻に浸らせたくもあった。

ここでは「今日の学習を振り返ってみよう」とだけ伝え、書く作業に入ったが、
何をすればいいのか迷ったりする子どももなく、みんな真剣に鉛筆を走らせていた。


学習活動4:子どものノートより
 これからも、マザー・テレサがやったことをみんなに知ってほしいと思う。
 みんなが共感してくれるほどのテレサの行動がすごい。
 テレサのしたことは、今も人々の心の中にあるのがとてもすごい。それほどテレサは偉大で、みんなの心に残ることをしたんだと思った。
 みんなの話を聞いて、「テレサの心」とはどんな人のことも思う優しい心なのだと思った。
 笑顔が絶えないとてもいい人だと思った。自分も人のためになりたい。
 今日はちゃんと自分の意見を言った。根拠も見つけた。大きい声ではっきり言った。
 (自分の班の中にはいなかったけど)ぼくの考えに似ていた班があった。
 貧しい人のために困った顔やいやな顔をしなかったマザー・テレサは、とても優しい。
 テレサはみんなを共感させて協力させているのがすごい。自分もこの勉強ができてすごく良かった。
 人の気持ちや苦労を分かち合うことで助けたりすることができるのだと思う。
 貧しい人には、普通の生活をしている人には分からないことが分かって、貧しい人は普通の人よりもよく笑うというのは、まるで貧しさを忘れているみたいだと思った。この勉強をして、貧しい人がどんなに苦労しているか分かったので良かった。
 テレサはいつも笑顔を変えなかったのはすごいと思った。誰に対しても笑顔を消さなかったのもすごい。
 マザー・テレサがしたことに世界中の人が共感して、ボランティアが増えたというところがすごいと思った。同じ物を食べ、同じ生活をしたこともすごいと思った。マザー・テレサがしたことは全部すごいと思った。私にはテレサと同じことはできないけれど、人の役に立つことをできるだけしたいと思った。
 テレサが決心しなかったら、貧しい人々はどうなっていたのだろうか。
 マザー・テレサは勇気があり、慈愛がある。「貧しい人は美しい」とは、本当にいい言葉だ。
 テレサは貧しい人を神様と思っていたけど、貧しい人もテレサのことを神様と思っていたと思う。マザー・テレサは人々を共感させて人々がテレサを手伝ってくれて、テレサは嬉しかったと思う。
 助けてくれるような人が来てくれる行動ができて、ノーベル平和賞の時も、自分のためではなく貧しい人のために受け取ったのがいいと思った。話し合いがたくさんできて良かった。
 みんなの意見を聞いて、こういう意見もあるんだなとか感じた。自分は発表できなかったけど、聞いていて、これからこういう発表をしようと思った。
 今日、一番心に残ったことは、心の底から人を愛することだ。一人一人の人間を限りなく大切にするということは、とても大切なことだと思った。人間に生まれてきても、人間として扱われず、死を迎える時には動物のように死んでいくことは、とても哀しいと思った。
 班によって学習課題や意見が違い、いろいろなことが分かった。共通課題をもっと決めて、もっと話し合ってみたい。
 今日はグループで「どういうことですか。」など言っていろいろ話し合えたのでとても良かった。みんな自分の思っていることを言っていたので良かったと思う。マザー・テレサはとてもいい人だなあと思った。私はテレサみたいな人にはなれないと思うけどいい心を持ちたい。
 以前の読みと比べてこんなふうに深まった、そう分かるよう、第一次に書いた初発の感想を、折りを見て返そうと思っている。
翌日の日記より
 
 自分の意見がしっかり言えたので良かった。これからも一生懸命頑張りたい。
 今まではあまり質問できなかったけど、今日の話し合いではできた。だから意見が深まった。全体の時も、みんなが聞いていたからとても恥ずかしかったけど発表した。自分では大きな声で言ったつもりだけど、もし誰か聞こえていなかったら、次は大きな声で、みんながよく聞こえるようにしたい。
 やっぱりみんなで話したら、自分が思っていないことも分かるんだなぁと思った。
 私の目標は1回でも発表することだったので、1回発表できて良かった。(グループでの)話し合いもよくできて、楽しく学習できた。
 発表する時、緊張したけど、班の中でも全体の時も、自分の考えが言えたので良かった。
  
板書は難しかった。私の永遠のテーマだ。
授業前に子どもの発言の予想をつけ、頭の中でまとめておく作業はするのだが、
毎度のことながら私の予想をはるかに超えた意見がたくさん出てきて、
どんなふうに分類すればよいのか、途中で混乱してしまう。

修行します。


余談だが・・・・
この日の朝、今年一番の冷え込みを記録した。
寒いのは嫌なので、たんまり着込んだのだが・・・・間違いだった・・・。
途中から暑くなってジャケットを脱いだら・・・、 た、体型がっ・・・!
考えたくはないが厚着のせいだけではないのかもしれない・・・・。
クマみたいじゃ〜っ・・・(=TェT=)
参観者の感想
 あの(!)5年生が、落ち着いて話し合いができているのにびっくりした。しっかり書けて、しっかり話せる児童になり、来年も期待できそうだ。
 積極的に発言する子が多く、感動した。事前に書き込みしていたのが良かったと思う。
 グループで話し合ったり、資料を準備したりされていたので良かった。
 どの子も前時に自分なりの考えを持って授業に臨んでいたので、自信を持って意欲的に学習に取り組んでいた。最後の振り返りで、”取り出し”に来ていた子ども達もさらさらと自分の思いを書いていたのに驚いた。
 今日の課題は、しっかり読み込まないと難しいと思うが、どの子もよく取り組んでいた。これまでの発問・指示を知りたい。
 自分の課題について教科書の記述に根拠を求めてきちんと発表していて素晴らしい。
 グループの話し合い→全体→個の流れも、グループでの話し合いの方法についてもよく分かっていたようで、活動が止まっている所がなかった。
 マザー・テレサの活動している写真は効果的だった。また、以前の読み聞かせが生かされている発言もあり、日頃から心を耕し、それが子どもの中に根付いていると感じた。
 個→グループ→全体→個は、一人ひとりの読みを保障し、とてもよい形態と思う。
 とても素晴らしい授業だった。このような学習を低学年から続けていくと子ども達はぐっと伸びると思う。
 グループ学習では、誰もが自分の意見を発言できていた。「あいうえお」がいいですね。
 表情豊かに優しく語りかける姿がとてもいいと思った。
 記述に返って意見を述べたり、根拠の説明ができていた。
 机の配置や発言ポスト、ワークシートがいいと思った。
 話し合いの仕方についてのプリントに空欄があり、司会の人が意見をまとめるために考えるので良かったと思った。板書も中央に「テレサの心とは?」という課題があって、そこに向かっていくんだなというのが分かってすごいなと思った。
 話し合いの活性化のためのいろいろな手立てがなされていることが感じられる授業だった。
 教科書以外の資料を掲示板にも張ってあり、学習環境が整っていると思った。ワークシート、ノートと選択できるので、自分に合わせることができて良かったと思う。
 一人ひとりの意見・発表を大切にし、学ぶ意欲が持てる内容であり、発言する時の生き生きした姿が印象的だった。
 解説しながらの分かりやすい板書だった。
 自分の意見をしっかりと持ち、課題も理解していたから、一人ひとりが自信を持って発表できたと思う。
 (教師が)写真や資料などを準備していたので、児童も興味を持って取り組めたと思う。机の配置も効果的だった。何よりも先生が、一番熱心に勉強され興味を持たれていることなので、その気持ち・熱意が児童に伝わっているのだと思った。
 児童一人ひとりのノートに、課題や自分の考え、友達の意見から学んだことがしっかり書いてあったので、自信を持って発表できると思った。子ども同士で意見をつなげていた所もよかった。
 たくさんの写真資料を提示していた。本文と対応させて説明していたのでとても分かりやすかった。用意した中から、子どもに必要なものだけを選んで提示したのもよかった。
 意見を発表する時、そのように考えた根拠も発表していたのでとてもよく分かった。
 違う考えを持っている子に発表を促したので、多様な考えが出てきて良かった。
 子ども達をとてもよく鍛えていると思った。
 グループの話し合いを活性化させるための工夫がいくつか見て取れた。発言者用のポスト、発言者と聞き手のやり取りの言い方が身に付いていた。
 一人ひとりが課題を真摯に受け止め、キラリと光る発言に胸を打たれた。
 難しい主題に迫るために一人読みやグループでの話し合い、全体での意見発表というスムーズな学習の流れになっており、素晴らしいと思った。
 子ども達が自分なりの読みを一生懸命に表現しようとしている姿に心を打たれた。
 板書は、自分の描いた路線に乗せるのではなく、子ども達から出たものをもとに書いていくやり方だった。
 板書が対立的に書かれていて、とても分かりやすかった。
 自分が設定した課題を解明していくという方法が良かった。全員が一つの課題に向けて話し合う方法も一般的にはあるが、一人ひとりの疑問や心に感じたことを取り上げ自由に発言させることで核心に迫らせるやり方は見事だった。
 班編制は2人〜数人まであった。課題別だったのだろうか。
 旅行やネット、本などから視覚に訴える資料に子ども達も強烈なインパクトを感じたのでは?
マザー・テレサを慕う人々のこと、インドで出会った人々のこと、マハトマ・ガンジーのこと、
アッシジの聖フランシスコのこと・・・、この授業に先立って、子ども達には、これまで様々なことを話してきた。
参観した人もそれらしきことを書いてくれていたように、まさに私の生のテーマに関わる単元だったのだと思う。
(大袈裟かも?)

情熱を持って指導した。心は伝わったと信じている。

インドにもう1回行かなくっちゃねっ。


    

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