総合的な学びを創る研究会

★ 本会は、熊毛町内5校の教師が互いに情報交換しながら研鑽を積むために昭和60年頃結成された会である。
★ これまで「熊北研究会」「感動ある学習作り研究会」等の団体名で活動を続け、研究の成果を 研究紀要「きっと伸びる」「跳べ」 等にまとめてきた。
★ 本会では、教師のチームワークや地域とのネットワークを基盤に、平成11・12・13年度の研究を下記のテーマで行った。

<平成11・12・13年度の活動>

1 研究主題

 自ら考え、生き生きと活動する子どもの育成    〜総合的な学習の時間の創造を通して〜

 新学習指導要領では総合的な学習のねらいの第1に、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること」があげられている。
 これを踏まえて我々は、「自ら考え、生き生きと活動する」子供の姿を3年間の本研究会のめざす子供像と設定し、テーマを「自ら考え、生き生きと活動する子供の育成」として、子供たちの主体的で問題解決的な活動を創造するための研究を進めてきた。

 研究の経過

<1年次>

5月1日 第1回学習会 組織作り、研究テーマの確認、年間研修計画の作成。
6月5日 第2回学習会 山口大学教育学部附属光小学校の野口政吾氏を講師に迎え、
総合的な学習の時間のあり方についての研修。
8月12日 3回
夏季特別研修会
宇部警察署・ふれあい館、三田尻塩田公園、防府ソラール等。
11月20日 第4回学習会 野口氏を迎え、カリキュラム編成の留意点についての研修。
12月4日 第5回学習会 各校における総合的な学習の事例研究
1月29日 第6回学習会 研究のまとめ、研究紀要作成
3月4日 第7回学習会 次年度への方向付け

<2年次>

4月15日 第1回学習会 組織作り、研究テーマの確認、年間研修計画の作成。
6月3日 第2回学習会 新南陽市立和田小学校藤井幸司氏を講師に迎え、
総合的な学習の事例研究。
11月25日 第3回特別研修会 第6回山口個性化教育研究会参加
 講師 ウィスコンシン大学名誉教授 ロバート・タバチニック 氏
     上智大学教授         加藤幸次  氏
2月17日 第4回学習会 各校における総合的な学習の事例研究、研究のまとめ、研究紀要作成
3月17日 第5回学習会 次年度への方向付け

<3年次>

4月15日 第1回学習会 組織作り、研究テーマの確認、年間研修計画の作成。
7月7日 第2回学習会 防府教育事務所吉鶴修氏を講師に迎え、
総合的な学習の時間の評価のあり方についての研修。
12月8日 第3回特別研修会 個性化教育研究会参加
2月16日 第4回学習会 各校における総合的な学習の評価についての事例研究、
研究のまとめ、研究紀要作成
3月16日 第5回学習会 次年度への方向付け



3 メンバー紹介

N・N子 会計:和やかな笑顔でメンバーの心をほぐしてくれるセラピスト。
I・T通 すごい存在感です。
N・T寿 しっかり者の会計補佐。
K・Yoshiko 何の因果か、代表やってます。
I・K二 大忙しの副代表。
T・ T 大忙しの副代表補佐。
I・K己 特別顧問。社教主事。
来年度はボランティアコーディネーターの仕事をするらしい。
I・Y樹 今時珍しい新卒2年目。なんだか急にしっかりしてきました。

4 研究内容(個人研究の部)
<1年次>
(1) 性教育をベースにした総合学習への取り組み
(2) あたたかな学級づくりと表現力を伸ばす授業をめざして
(3) ふるさとのよさを自分なりの観点で探り、様々な手段で工夫して表現する子どもの育成
(4) 一人一人の思いやよさを大切にし自立を育てる生活科学習の工夫
(5) 体験することの楽しさを味わわせる生活科学習
(6) 福祉の心をもつ子供の育成〜「天王園」のお年寄りとの交流を通して(4年生)〜
(7) ふるさとを見つめ、主体的・創造的に取り組む児童を育てる「総合的な時間」の創造

(8) 児童が主体的にかかわることのできる学習活動を目指して

                           
<2年次>
(1)ふるさとを考え、児童が主体的に取り組める「総合的な学習」を目指して
 自分たちが住んでいる「ふるさと」について、主体的にあらゆる角度から考え、そのよさを受け継ぐと共に、交流している中国の学校等に発信していく活動を通して、自分たちの地域について深く考えることのできる児童を育成しようと考えた。 

(2)(3)子供が主体的に課題を見つけるための活動をどう仕組むか〜ゲストティーチャー(GT)との交流会を通して〜
 地理的にも日本に最も近い国であり、歴史的にみても日本と関わりの深い韓国に焦点をあて、GTとの交流会を計画し、韓国の文化や衣食住、経済や歴史などにふれる機会を共通にもつことで、子供たちが主体的に課題を設定し、自分なりの方法でそれらを追求していくことができるのではないかと考え取り組んだ。

(4)自ら学びを創る子どもの育成
自ら学びを創る子どもの育成を図るために、総合的な学習の時間において、4つの支援(連想法、体験活動の導入、活動レポートの活用、教師による課題提示と場の保障)を軸に実践した。

(5) 人とのかかわりを通して豊かな心を育てる学習活動
 子供たちはいろいろなことを経験する中で、多くの人と出会っていく。その人との出会い・かかわりを大切にしながら豊かな心を育てることができるような活動を試みた。

(6)一人一人の個性やよさを生かす学級経営〜総合単元的な道徳学習の実践を中心に〜
  一人ひとりの個性やよさを生かした教育活動を進めていくための実践のしめくくりとして、「誰にでも親切に」の総合単元的道徳学習の実践を行った。

(7)他者と共によりよく生きようとする子供の育成
 身体に障害のあるIさんとの出会いをきっかけにして、人間としての多様な生き方をありのままに受け止める感性を養うと共に、明日の自分をどう生きるかを考え合う総合的な学習の実践をめざして取り組んだ。

(8)自ら考え、行動し、生き生きとした活動ができる子供の育成〜総合単元的生活科の実践を通して〜 
 ふれあい教室や秋フェスティバルを生活科の中に設定し、自分たちにどのようなおもてなしができるか話し合わせ、それらを実行することを通して、人のお世話をすることの大変さや喜びを体験させ、意識改革を図った。    
 
(9) ふるさとを見つめ、主体的・創造的に取り組む児童を育てる「総合的な時間」の創造
  伝統の、八代のつるに関して調べたり表現したりする活動を、総合的な学習の時間の中で工夫して行うことによって、ふるさとを守る活動を子供たちがより主体的・創造的に取り組むことができるよう試みた。 

(10) 児童が主体的にかかわることのできる学習活動を目指して
 八代をアピールする新聞作りを通して、主体的に学習を進める態度作りに取り組んだ。学習のまとめでは、自分たちで作った新聞を、「鶴いこいの里交流センター」等に展し、鶴を見に八代を訪れた人々に、八代のよさをアピールした。 

(11) 学社連携による生涯学習の創造を求めて〜生涯学習ふれあい講座「学びまっしょい」〜
 「さまざまな生涯学習で得た知識や技能を生かす場がほしい」と願う町民、「総合的な学習の時間における、地域のゲストティーチャーを確保したい」と願う学校、それぞれの課題を解決するために連携して、ふれあい講座『学びまっしょい』開設に取り組んだ。  


 <3年次>
(1) 一人一人の思いを豊かに表現する子どもの育成  〜生活科の学習を通して〜
  「豊かに表現する」という点に視点を当てて取り組んだ。子どもたちが一人ひとりの思いを豊かに表現できるよう、国語科等、他教科とのかかわりも考えながら、以下の3点を研究の柱として実践した。
      @ 子どもたち一人ひとりにこだわりをもたせる。
      A 継続的な活動により、見通しをもたせる。
      B くり返しの体験活動。
     
(2)  自己に問いかけ、よりよく生きようとする子供の育成
 自己のよさを感得しながら自己実現を果たそうとする子供の姿を求めて、授業実践を行った。ここでは「自己に問いかける子供」を、内的対話のできる子供・内面言語(心のつぶやき)を持つ子供・自己評価のできる子供と位置付け、また「よりよく生きようとする子供」を、自分の生を肯定的に受け止め、積極的な自己決定の意欲や自己への期待感のある子供と位置付けて、授業の各段階における支援はどうあるべきか、試行錯誤しながら取り組んだ。
 
(3) 「総合的な学び」につながる学習指導    〜教科学習を通して〜
  「総合的な学習の時間」において、児童が自ら考えた課題に意欲をもって取り組んでいくためには、教科学習で得た知識・技能等の能力が不可欠である。 1年生を受け持った今年度は、「総合的な学習の時間」で生かされる基礎基本の定着をめざして研究をした。


(4) 児童が主体的に取り組むことのできる「総合的な学習」の創造   〜特別活動との関連を通して〜
 完全学校週5日制を考慮して、行事の精選についても工夫が求められている。その方法の1つとして、総合的な学習の時間と特別活動との関連を考えてみた。この2つの目標は違うものなのだが、育てたい資質や能力には共通しているところもある。そこで、特別活動、中でも児童集会に注目し、これまで、特別活動で行ってきたものを総合的な学習の時間に関わるものとしてとらえ、その企画、準備を行っていくようにした。

5 まとめ

「自ら考え、生き生きと活動する子供」を育成するため、総合的な学習の時間の授業検討や事例研究を中心に、町内5校の小学校で連携し、3年間に渡って研究を進めてきた。
 1年次には、生活科等との関連をいかにとるか、また単元構成やテーマ設定をどうするか等、総合的な学習の時間に初めて取り組むだけに、運営上の素朴で基本的な疑問や問題点が次々に浮かび上がった。
 2年次には、外国人やふるさとの人々等交流の対象を広げると共に、子供たちの活動の場にも工夫を凝らすことができるようになってきて、研究も少しずつ軌道に乗り始めた。中でも1年次からの懸案だった生活科との関連や社会教育機関との連携についての研究を深めることができたのは大きな成果であったと思う。
 そして3年次である今年度、教科とのかかわりや、総合的な学習の時間における評価活動が大きな焦点となった。教科で培った基礎・基本は、あらゆる場面で生かされてこそ真の学力と呼べる。学力低下論が巷で渦巻く中、学校でいかに学力を磨くことができるか、それは、教育に携わる全ての者のテーマでもある。更に、行事の精選が叫ばれる中、総合的な学習の時間と学校行事とを、いかにリンクさせていくかも学校経営上重要な問題であり、ここに焦点を当てた研究を深めることができたのも、今年度の成果の一つであった。
 転勤等によりメンバーの交代もあったが、2002年度からの総合的な学習の時間の完全実施を前に、3年間、とても有意義な研修ができたと思う。今後も各校のネットワークをより密にし、よりよい教育活動を目指して活動を進めていきたい。

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