さそいにのらない(1年:学活)

1 ねらい
世の中には自分たちを誘拐したり危害を加えたりする人がいることを知り、被害を防ぐためにできることを考えたり演じたりすることを通して、万一の時には自分で身を守ろうとする態度を育てる。

2 準備 地域マップ(校区)、加害者のお面、プリント、掲示用絵(教)
3 展開
学習活動・内容 指導上の留意点
1 実際にあった事件の様子を知る。
・見知らぬ人に誘われた時の驚き、不安、恐怖
・知っている人が豹変した時の驚き、不安、恐怖
○町内や隣接する市町村で起こった事件を中心に紹介する。
○子供は全ての人から守られ大切にされる権利があるが、ごく稀に下着を脱がせたり、性器に触れたり、体を傷つけたり、誘拐したりする人もいることを話す。
2 被害を受けやすい時や場、誘い方を予想し、話し合う。
・夕方や夜 
・一人でいる時 
・人のいない所や人目が届かない場所
(発)どんな誘い方をするのかな?
○子供に悪いことをする人はどんな誘い方をするか想像させ、誘い方も様々であることを確認する。
○加害者は全く普通の人として現れ、優しく声をかけてくるなど、見分 けの難しいものであることを伝える。
(発)危ない時や場所はどこかな?

○被害を受けやすい時と場があることに気付き、地域マップで確認する。
3 声をかけられた時に取るべき行動を考え、ロールプレイする。
・道案内を頼まれた時
・品物をあげると言われた時
・家の人がけがをして病院に行こうと言われた時
・一人で留守番をしている時
(発)こんな時はどうしたらいいかな?
○予想される様々な擬似的場面を提示し、当事者になったつもりで演じさせる。

○被害を防ぐには、十分な注意と共に、周りの人の助けが必要であることに気付くようにする。
○実際の場面では、恐怖で声が出なくなることもあるので、日頃から「とっておきの大声」が出せるようにしておく必要があることを知らせ、全員に練習させる。
4 本時の学習で分かったことや約束を絵カードにまとめる。
・危険な場所や時間を避ける
・見知らぬ人や知人でも簡単には誘いにのらない。
・車から離れた所で応対する。
○本時を振り返り、身を守るためにできることをまとめさせる。
(評)自分自身で身を守ろうとする態度が身についたか。
○被害を受けそうになったり受けたりした時は、迷ったりせずにすぐに家の人に知らせるよう伝える。
○万一のことがあっても、被害者の子供は決して自分を責める必要はないことを確認すると共に、周りの友達も力になってあげてほしい旨、伝える。

4 授業を終えて
・ 多くの子供は大人を全面的に信頼している。それが当然だし、社会はそうあるべきなのだと思う。しかし現実には、その期待を裏切られ、不見識で無責任な大人のために苦しみ耐えている子供たちが少なからず存在している(加害者は見知らぬ人だけでなく、面識のある人や家族の中にも存在している!)。この授業を通して私が最も伝えたかったことは、自分を守る力を付けてほしいということと、もうひとつ、何があっても決して自分を責めないでいてほしいということである(終末にちらっと話しただけで終わってしまったが・・・)。自分を惨めに思ったり、価値のない人間だと思ったりすれば、その子の人生はそこで閉ざされ、一生トラウマから抜け出せず、人生を棒に振ってしまう。たとえ被害に遭遇することがあったとしても、それだけはあってはならないことだと私は思う。そういった意味では、現実に被害に遭ってしまったらどうしたらいいのか、どうやって自分を取り戻しらいいのか、何ができるのか・・・という授業を次時に仕組む必要があったのだと感じる。今後の私の課題である。
・授業そのものは、大変楽しく和やかな中に終了した。特に「とっておきの大声」の練習は、子供たちの大のお気に入り(それまで2度行っていた)で、小さい声しか出せなかった子供も、少しずつ殻を破り始めた様子が見て取れた。シチュエーション別のロールプレイでも、皆とても生き生きと演じたが、「断らなければなならない」という結論が見えての設定だったのでコンフリクトがなく、もっとよい投げかけはなかったかと反省している。
・後にこの授業をある会で紹介した時、ひとりの男性から、「危機予知力はどの子も持っている。世の中の負の部分を強調するのでなく、ほとんどの人は善人だということを知らせ、プラスのイメージの中で教育することが大切なのではないか」という趣旨の意見が寄せられた。だが、それだけでは傷付く子供はひとりだって救えない。マイノリティへの十分な配慮を忘れず、自尊心を持って力強く生きる子供を育てるために、今後も励んでいきたい。

・授業

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