ヘリコバクター・ピロリ 除菌物語

 





はじめに
 日本人のピロリ菌感染者は、2007年現在、約6000万人なんだそうで、40歳以上では70%以上の人が感染しているらしい。特に、十二指腸潰瘍患者の9割にピロリ菌はいると言われている。私の場合、家系的にもガン体質。十二指腸潰瘍痕も2ヶ所あることだし、んもう絶対いる、いないわけがない。

 ネットで情報収集したところ、どうやら胃潰瘍や十二指腸潰瘍を現在患っている人でないと保険は利かないようだ。が、そんなの全然関係ないわ。自費だろうと何だろうと、ピロリ菌を退治したい。お腹が空いても痛くならない健康な胃になりたい。胃ガンのリスクも減らしたい。
 
 と言うわけで、今年の冬休みはピロリ菌退治に取り組むことにした。
 

A医院
 大病院だと待ち時間が長いので、ピロリ菌の検査のできる個人病院をネットで徹底チェック。真面目で優しそうでキリッとした院長の写真が載っていたA医院に行くことにした。(←実際に会ってみるとかなりのギャップがあったが。) 

 年末の平日だったせいか、A医院、待合室に患者の姿はゼロ。え?開いてるの?評判悪いのかしら?建物はとってもきれいだけど、これだけ患者がいないということは、もしかして悪徳?などと、失礼なこともあれこれ考えながら、名前を呼ばれるのを待った。

 結論を言えば、A医院で大正解。大病院にはない温かみがあった。どんな疑問にも時間をかけてじっくり答えてもらえたし、保険は利かないけど、どうやったら少しでも費用が安くなるか計算してもらえたし、ピロリ菌だけじゃなく他の検査もしてもらえたし・・・。

抗体検査
 検査方法は、尿素呼気試験法とか抗体法、抗原法、培養法、迅速ウレアーゼ法などいろいろあるが、ドクターのアドバイスに従って、より精度の高い(らしい)血液検査をお願いした。

 結果は、予想通り陽性(濃度54:正常値は10以下)。やった〜!これで除菌できる!お腹の中がきれいになるのだわ!

 除菌は抗生物質を1週間飲むだけ。何て簡単なの?医学の進歩ってありがたい。うちの先祖も現代に生まれていたなら、長生きできたかもしれない。

 ただし、この薬、嘔吐や下痢などの副作用が出る人も1割くらいはいて、おまけに全部飲んでも除菌できない人も1〜2割いるとのことだった。お腹の中の善玉菌もみんな死んでしまうのも気になるところだが、何はともあれ飲むしかない。
 

2007/12/29
除菌第1日目
 気のせいかもしれないが、何だか胃がムカムカする。便の具合は幸いにも普通通り。カプセル4つと錠剤1つだが、小さいし、ツルツルしていて飲みやすいので、ちゃんと1週間飲み続けたい。
 途中で止めると、耐性菌ができてしまって除菌できなくなるそうだ。

2007/12/30 
除菌第2日目
 前日ほど、いや〜なムカムカはなくなったが、食事すると、ちょっと気分が悪くなる。胃が荒れてきたのかなぁ?もしそうなら、胃潰瘍の人、大変だなぁ。健康な時より、もっと負担が大きいんじゃないだろうか?保険は利かなかったけど、痛くない時にできて、私は幸いだったに違いない・・・と思うことにしたい。

2007/12/31 
除菌第3日目
 飲んでいるのはランサップ400っていうお薬だけど、2種類の抗生物質と1種類の胃酸分泌抑制薬の組合わせ製剤だ。抗生物質が2種類なのは、どっちかの抗生物質に対して耐性菌がいる場合があるためらしい。
 「お薬110番」によると、飲み合わせに注意する薬がたくさんある。飲めない体じゃなくてよかった・・・。

2008/1/1
除菌第4日目
 ショックですわ〜。何と実母は、ピロリ菌の除菌に2度も失敗していたということが分かった。うっそ〜。じゃあ、私ももしかして・・・・。だって感染経路は、母子感染が一番疑わしいそうだ。つまり、母と同じタイプの菌を持っている可能性があるってことだ・・・。
はふぅ〜Σ(*゚Д`;)

2008/1/2 
除菌第5日目
 副作用の中に、「口の中が苦くなる。」というのがあったけど、これか〜。お薬を飲んでしばらくすると、消毒薬を飲んだかのような、スハ〜とした苦さが口の中を漂う。これってもしかして、胃の中の隅々にまでお薬が行き渡ったってことなのかも?

2008/1/3 
除菌第6日目
 実母と同じ強い菌なら、除菌できないって不安がる私に、夫が「大丈夫、大丈夫。ウン△が随分臭くなってきた!」って、あんまり嬉しくもないことを・・・^_^; 夫が言うには、「ビフィズス菌とか、他の善玉菌も死んで来たから、ウン△の臭いが変わったに違いない。」だって。さすがにトイレにこもるニオイまでは自分でチェックしてなかった。だけど、お正月でダラダラといろんなものを食べていたからニオイが変わっただけかもしれないじゃん。
 それに、腸内菌が死んだからって、胃の中のピロリ菌がどうなったは分からないわけで・・・。。善玉の腸内菌だけが死んで、狙っていたピロリ菌が生き残ったら、この治療はただの失敗以上に悲惨だよね。

 ・・・6ヶ月後の血液検査が待ち遠しい。

2008/1/4
除菌第7日目(終了)
 遂に完了。きっちり12時間おきに、ちゃーんと飲んだ。除菌できたことを心から願ってる。
 早速、今日からビフィズス菌を復活させるため、ヨーグルトを食べ始めた。善玉菌を増やして、ウン△のまろやかな香りを取り戻す(?)んだもんね〜。

2008/1/7 
除菌失敗の場合・・・
 アメリカなどではいろんな種類の抗生物質が認可されていて、ピロリ菌の除菌に使われているようだ。だから2回目で除菌できなくても、他に道はあるということだ。飲む量も期間も日本より多くて長い。

 だけどね〜、数種の抗生物質を長く大量に使うということは、ピロリ菌を殺すというひとつの目的のために、常在菌を徹底的に排除するってことで、免疫力は決定的に弱くなる。復活できればいいけど、どうなんだろうか。何十年もかけて築き上げた自分の体内環境を、復旧させることができるのだろうか??

 除菌失敗なら抗生剤を個人輸入、または渡米治療・・・・なんて考えない方がいいのかなぁ・・・・。

2008/1/11 おまけ
  ウン△つながりで、おもしろ〜い鑑定サイトを発見した。
 やってみてね〜。ココです。

2008/1/14 胸焼け
 ほ〜ぅ。これが「胸焼け」というものなのだろうか?昨日・おとといと、旅行でたらふく食べたからなのかな?どうも胃が、カーッと熱くなるよ。今まで感じたことのない感覚だ。私の胃環境が、よりよく(?)変わったのだろうか?それとも、胃潰瘍または食道炎に、ますます近付いたということなのだろうか?
 ピロリ菌が死んだのか死ななかったのか、早く知りたい。


1年後・・・
2009/1/7
 血液検査に行った。結果は2週間後、聞きに行く。

 この1年間、胃痛は確かになくなった。無理に間食しなくても、胃はキリキリしなかった。(痩せてもいいハズだったのね・・・。)1年間も胃薬なしで生活できたのは、大人になって初めてのことかもしれない。きっと除菌は成功したに違いない・・・。

2009/1/20
 がっび〜ん!!!(って、ほんとは驚く程でもないか・・・。)血液検査の結果は陽性(濃度36)だった。除菌に失敗する1〜2割の人の仲間だったというわけだ。悲しいよ。

 私のピロリンは、日本に多いと言われるクラリスロマイシン耐性の菌だったのかもしれない。

 ドクターからは 「耐性菌ができるとよくないので、しばらく様子を見ましょう。」と言われた。

 帰ってネットで調べると、ランサップで除菌に失敗しても抗生剤を「メトロニダゾール」に換え成功する例も多いらしい。私としては、是非チャレンジしてみたいので、近いうちにもう一回、病院に行こうと思う。

2009/1/21
 メトロニダゾール(商品名フラジール)で除菌したい旨を伝えにA医院へ。が、残念ながら「うちには置いてないんですよ。」ということだった。「そ、そんなぁ・・・。ないんだったら取り寄せてよ〜。」と心の中で思った・・・。ちょっとショックだった。


2009/2/14(Sat)
I医院・・・2回目開始
 夫の強い勧めで、母が3度目の服薬で成功した実家近くのI医院に行った。そして、めでたくフラジール内服錠250mg他(パセトシン錠250、パリエット錠10mg)をゲット。2007年8月から保険も利くようになったとの事。☆(*^o^)乂(^-^*)☆ バンザイ!!

 今日感じたのは、医療従事者の優しい言葉のありがたさだ。I医院のドクターも、薬局の薬剤師さんも、とても優しく安心できた。「何でこんな遠くまで来たんですか?なんて、聞かれるの嫌だな。」と思っていたが、そんなの杞憂だった。「最近は耐性菌が増えていて、1度目で除菌できない人、多いんですよ。」とか「今度はきっとうまくいきますよ。」とか・・・何て優しい言葉なんだろう。些細な言葉でも嬉しかった。まさに医は仁術なり。 

 胃酸を強力に抑える薬が入っていて、飲み終えてから調子が悪くなる人もいるので、1週間後にまた来るように言われた。

 夫も、「2回目が、たとえうまくいかなくても大丈夫だからね。またいい方法を探してあげるからね。」と言ってくれた。うるる

 夕食後、第1回目を飲んだ。

2009/2/15(Sun)
二次除菌第2日目
 何事もなく2日目終了。夕方、口の中が少し、スハ〜ッとした気が。
 朝夕各5錠で7日間の計70錠。なかなかの量だ。
 
 某病院のデータでは、一次除菌の成功率が2000年には約90%だったのが、クラリスロマイシン耐性菌の増加により現在76.2%。二次除菌の成功率は91.7%なんだそうだ。

2009/2/16(Mon)
二次除菌第3日目
 深夜2時、口の中に唾がどんどん溜まってきて目が覚めた。

2009/2/17(Tue)
二次除菌第4日目
 口の中が気持ち悪い・・・。

2009/2/18(Wed)
二次除菌第5日目
 下痢や軟便などではないが、何だかお腹がデレーっとした感じ。

2009/2/19(Thu)
二次除菌第6日目
 あぁ・・遂に恐れていたことが・・・。お腹が変。完全に変。常にウ△△が出そうな感じ・・・。家でも学校でも、お風呂に入っていても・・・。(;>_<;) 腸内細菌のバランスが崩れたせいなのよね。胃酸の分泌を抑制する事による消化不良も原因の一つらしい。まぁ重症ではないので、あと1日何とか乗り切りたい。

2009/2/20(Fri)
二次除菌第7日目
 お腹は相変わらず変だったが、頑張って飲み続けた。

2009/2/21(Sat)
二次除菌終了
 軽い副作用があるにはあったが、1週間のスケジュールがめでたく終了した。もう薬飲まなくていいんだ。これ以上、口の中が気持ち悪くなることも、お腹が変になることもない。バンザイ!
 I医院に行ったら、胃酸を抑える弱い薬が出た。これで徐々に元の状態に戻して行くそうだ。「恐らく除菌は成功したでしょう。検査の日を期待してて下さい。」と笑顔で言われた。患者のメンタルケアってホント大事だな〜。一応、頑張ったんだもんね。イヤッホ〜\(^O^)/


2009/2/22(Sun)
ピロリ菌と胃潰瘍
 ピロリ菌自体が産生する毒素(サイトトキシン)による直接の粘膜障害もあるが、ピロリ菌が付着した場所にこの菌を排除しようと白血球やリンパ球などが集まってきて炎症を起こすのが胃潰瘍なのだそうだ。
 それから、除菌後に逆流性食道炎を発症する頻度は、約10%らしい。

2009/2/23(Mon)
口の中&お腹
 口の中の嫌〜な感じは軽くなったのだが、まだ完璧に消失したわけではない。お腹も同様、今日も緩目。

2009/2/25(Wed)
 口の中とお腹は快復したが、食後に胃がキリキリする。

2009/3/8(Sun)
再感染
 胃酸を抑える薬は継続使用中。飲まないとゲップが出やすい気がする。今日ネットで見つけたのだが、全年齢のピロリ菌除菌成功者のうち、2〜3%は再感染するという統計があるそうだ。(=TェT=)

2009/3/21(Sat)
3度目の通院
 I医院へ。除菌から1ヶ月経ったので、今日はきっと再検査に違いないと思って朝食は抜いていった。尿素呼気試験法による検査なら、検査前の4時間は食事を摂れないハズだから。(しかし、ドクターから朝食を抜いて来いとは言われてなかったので、呼気試験法じゃないのかもな〜、とも思ってた。)

 ドクターが選択していたのは検便だった。何の薬も飲まなくていいし、痛くも痒くもないので安心だが、最低あと2回、通院しなくちゃいけない。(嫌がってるワケじゃないけどね。)

 朝取って、その日のうちに持って行くので、やっぱり土曜日になっちゃうか。結果は更にその後1週間してから聞きに行く。

2009/3/27(Fri)
4度目の通院
 検便提出のため、37kmかなたのI医院へ。良い結果を期待しててガクッと来るのは嫌だから、極力期待しないようにしたい・・・。

2009/4/4(Sat)
LAST
 検便の結果を聞きにI医院へ。幸いにも除菌は成功していた。お腹のグニュグニュ感に耐え、飲み続けてよかったぁ。
 誤差や再感染もあるということだが、ひとまず喜ぶことにしたい。やった〜!



2011/7/26(Tue)
内視鏡検査予約
 除菌成功から2年半。胃の痛みや違和感もなく、ずっと快適に過ごすことができた。そろそろ経過を見なければ。・・・というわけで、内視鏡検査の予約をした。


2011/8/20(Sat)
内視鏡検査
 コップ1杯の、胃を洗浄する薬を飲んだ。味はなく、飲みにくくもなかった。
 肩に注射。「だいぶ痛いですよ。」と言われた。確かにズキズキ。
 鼻にスプレー・・・薬が喉まで来たのでゴックン
 鼻に麻酔注入・・・喉まで来たのでまたゴックン。鼻や喉の感覚がなくなり、唾も飲み込めなくなったところでカメラ挿入開始。管は相当太かったが、感覚なし。
 ただし喉が通りにくかったので、「ゴックンしてみて下さい。」と2度言われた。喉が動かずうまくできなかったが、どうにかゴックン。
 「きれいな胃です。」と言われ、ひとまず安心。「除菌後、胃の粘膜が厚くなってきていますね。」「再感染はあまりないが、2年に1回は経過を見るように。」とも。
 所々、血管が透けて見えたりしていたが、ポリープや傷もいっさいなく、無事に検査は終わった。長生きできるかもしれない。もしそうならありがたいことだ。



2012/7/23(Mon)
内視鏡検査予約
 去年と同じ、評判のいいF医院で内視鏡検査の予約をした。

2012/8/9(Thu)
内視鏡検査
 F先生、何歳くらいなんだろうか?意外にかなりのおじいちゃん(?)。あれこれ話しかけられても返事もままならない私に、管をぐいぐい入れながら、いろいろ解説して下さった。優しい・・・。でも、カメラが喉元を通過する時とか胃壁に当たる感触は、やっぱり結構気持ち悪い。鼻もなんだかキンキンした。
 
 「は〜い、終わりましたよ〜。空気抜きますよ〜。」と言われ、本当にお腹がぺしゃ〜となる感じの後、カメラは私の体から出て行った。うぐ〜、終わった・・・。

 除菌後、胃壁はだいぶきれいになってきているとのこと。異状なし。胃カメラは2年に1回でいいと言われた。



2014/8/6(Wed)
内視鏡検査
 2年振りの胃カメラ。人間ドックなので、近所の本○クリニックでみてもらった。
 機材が細くなったんだろうか?それとも、私の力の抜き方が上手にでもなったんだろうか?カメラが喉を通りにくいということもなく、最初から最後までとてもスムーズだった。看護師さんが背中をさすってくれていたので、安心できたせいかもしれない。
 「軽い慢性胃腸炎がありますね。」と言われたのと、画面を見ていると時々内壁に赤いポツポツがあったのが少し気になったが、「異常ありません。」と言われたので気にしないことにしたい。

 待合室でテレビを観ていて、前回の胃カメラ検査も「原爆の日」だったなと思い出した。私なんて、ほんと幸せなものだと思う。





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