わしやまの昔話「おんぶしてくれ」(2年:道徳)
 

【学習指導案】
1 主眼
 むじなや、おもの母親の気持ちを考えることを通して、優しく温かい心遣いが人を良い気持ちにさせることに気付くとともに、人に接する態度に気を付けようとする心情を育てる。


2 指導上の留意点
○ 導入では、家族や身近な人々と触れあった経験を想起させ、むじなの心情への理解を深めさせる。

○ 課題追究場面では、挿絵も参照させながら、 おもの母親の気持ちを話し合わせ、むじなに対する心遣いに気付かせるとともに、温かい触れ合いや心遣いが人を良い気持ちにすることに気付くことができるようにする。

○ 終末では、登場人物への手紙を書くことを通して、身近な人々への感謝の気持ちをもつことができるよう仕向ける。(評価イ)


3 評価
ア おもの母親とむじなとの、温かい心と心の触れ合いの様子が分かったか、話合いの様子から見取る。。
イ 身近な人への感謝の気持ちをもったか、手紙から見取る。

 

 本時の流れ
1 クラスのスナップ写真を見て、触れあう楽しさを想起し、おんぶされた「おも」の心地よさ、山の中で母子を見ていたむじなの気持ちを想像する。

2 本文を音読し、おもの母親の気持ちを話し合う。

・むじなをつかまえた時

・むじなの話を聞いた時

・むじなをおんぶしてあげた時

・むじなが毎朝贈り物をした時

・お礼を言った時

3 むじなやおもの母親に手紙を書き、学習をまとめる。
・身近な人への感謝



【児童の反応】

【むじなを捕まえた時】
やっと捕まえた。良かった。一件落着。
もう人におぶさるのはやめてくれと言おう。
いたずらするやつ、逃がすもんか。いたずらものめ。
あー良かった。でも逃げられたらいけないから目を離さないようにしよう。
ようやく捕まえたぞ。もう逃げられないよ。捕まえたぞ。絶対離さないぞ。
いじわるしたから仕返ししてやろうかな。いいタイミングで手が出せたぞ。
何でそんな悪いことしたん?そんな悪いことするなら「わしやま」から出て行け。

【むじなの話を聞いた時】
かわいそうだな。そうだ。おんぶしてやろう。
そうだったのか。それなら最初に言えば良かったのに。
おんぶされたかったんだ。おんぶしてあげるよ。
ずっとおんぶしてほしかったんだな。よしよし。
初めから言っていればおんぶしてあげたのに、言わなかったから怒られたね。

【おんぶした時】
おっかさんもむじなも喜んで、楽しい。嬉しい。
なんだかふわふわだな。むじなはかわいいな。
ああ、気持ちいい。むじなの体も気持ちいいな、怒ってごめんね。
あったかい、あったかい。毛布みたいだな。
毛も(む)くじゃらの背中は、毛があってくすぐったくてほわほわするな。これがいつもいたら気持ちいいだろうな。
なんだ。おんぶしてもらいたかったのか、やってあげるよ。かわいいな。初めから言えばいいのに。よしよし、かわいそうだ。おんぶしてやるよ。かわいいな、まるでうちの「おも」みたいだよ。おんぶすると、あったかくて安心するな。
むじながいてくれてほんとに助かった。ありがとう。これで幸せに暮らせるよ。
これからも仲良くしたいな。

【贈り物をもらった時】
いっぱいいろんな食べ物があって嬉しいな。
ありがとう、ほんとにありがとう。
毎朝早くからありがとう。おいしそうだな。
むじなが来たんだね。 食べ物をくれてありがとう。
これでお腹がいっぱいだ。おいしそうだな。
おお、むじなからの贈り物だ。ありがとよ。
すごいな。ありがとう。 毎朝、いろいろなものをもって来てくれてありがとう。
いつも贈り物ありがとう。びっくりした。こんなにありがとう。
おお、贈り物が何でこんなにあるんだ。
おんぶしたお返しに、またお返ししたいな。
食べ物がもらえて良かったな。

【登場人物への手紙・感想】
捕まえてやろうなんて、おっかさんは勇気があるな。
何も悪気のないむじなを捕まえてしまって、むじながかわいそうだった。
むじなが本当のことを言って、おんぶしてもらえたのが嬉しそうだった。
むじなは「おも」みたいにおんぶしてもらっていないからかわいそうだった。
おんぶは気持ちいいな。


【授業を終えて】
○ 資料は、自分の価値観が全てではないということがよく分かる話だ。むじなは山奥にひとりぼっちで生きていて、いたずらしようとは夢にも思わず、誰かのぬくもりを求めていただけかもしれない。(「ごんきつね」とよく似ている。)
 また、普段誰かに何かされて怒っていることがあっても、理由をよく聞いてみると、案外相手の気持ちが理解できたり同情したりすることもある。そんな経験がいろいろ思い起こされる昔話だと思う。

○ 日常生活の中で、うまく気持ちを伝えられなくて大好きな相手から誤解を受けたままの子どももいるのではないかと思う。だから、「初めから言っていればおんぶしてあげたのに」などの言葉をもっと自分に引き寄せて考えさせるシーンを設けてもよかったと、今にしてみれば思う。

○ 純真無垢な子どもだったら、誰しも大人に甘えたい気持ちをもっている。しかし、家族ならともかく、他人は必ずしもそんな大らかな気持ちをもった人ばかりではない。もし甘えさせてくれるとしたら、それはその人がよほど親しいか、懐が深いかのいずれかだと思う。そういうことを子ども達がおぼろにでも感じることができるといいなと思う。そうやって、家族以外の人々の個性を見極めながら、人との距離感を学んでいくのが成長するということなのだと思った。

○ 子どもの気持ちを思いやることもせず、大人の都合でただ怒ったり、拒否したりしていることがありはしないか、大人だったら振り返ることもできる昔話だと思う。
 
○ 課題追究場面では全員発表を目指したため、とにかく自分の思いを発表させようとした。が、それゆえ、「むじながいてくれたから助かった。」「これで幸せに暮らせる。」などの意見について、それ以上深めることができなかった。それが残念だ。
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