1年 国語科 「なんておもったら」

1 ねらい 
 日常ありがちな思い込みについて書かれていることを、想像力を働かせながら楽しく読み取ると共に、詩の創作を通して自分自身や身の回りの人、出来事などを見つめることができるようにする。

2 準備
  教材文(提示用、児童用)、ワークシート、掲示用絵(パン屋さん、洋服屋さん、看護婦さん)

3 展開
学習活動・内容 教師の支援・評価
1 詩を読み、イメージを深める。
・パン屋さんや洋服屋さん、看護婦さんなどの様子
・題名のみ知らせ、どんな詩か想像させる。
・各連の意味を問いかけながら、1連ずつ詩を提示する。
・微音読の後、個別や一斉に音読させ、詩に親しませる。
2 分からないことや気付いたこと、好きな部分などを話し合う。
・難しい言葉、分からない言葉
・気付いたこと
・おもしろい所、好きな所
・詩のリズム

・繰り返しによる強調
・指示語が示す内容
・段下げ
・繰り返し読むことで、詩のリズムや繰り返しに気付いたり、指示語を手がかりに内容 を考えたりできるようにする。
・題や繰り返しの手法の意味を振り返ることで、何の疑いもなく思い込んでいることでも、よく考えるとそうでない場合もあることに気付くことができるようにする。
3 主題を考えながら、自分で詩を作る。
・日頃思い込んでしまっていること
・自分自身のこと
・身の回りの人や出来事
(発)〜じゃないかなって決めてしまっていること、みんなにもないかな?
・自分の考えをワークシートに書いたり、一斉の場で発表したりするよう投げかける。
(評)自分の思い込みに気付いたか、ワークシートへの記入や発表により捉える。

4 本時のまとめをする。 ・それぞれの発見を賞賛し、これからも身の回りの事柄をよく考えてみるよう投げかける。 
(評)大違いだったり少しは本当だったりするものをもっと探そうとする意欲が持てたか、表情やつぶやきによって捉える。
4 教材文「なんて おもったら」 (原作:佐野美津男  一部改編)
パンやさんは ほかほかのパンばかり たべている なんて おもったら おおちがい
ようふくやさんは いつもあたらしいズボンをはく なんて おもったら  おおちがい
びょういんの かんごふさんは びょうきをしない なんて おもったら おおちがい 
よっぱらいは なまけものでしょうがない なんて おもったら  おおちがい
このほかにも <なんて おもったら おおちがい>なものが うんとある
そして すこしは ほんともある それをぼくらは  さがしてみよう

5 子供の反応
(1)活動1
・ 「なんておもったら  おおちがい」という言葉の繰り返しが、たまらなく楽しかったらしく、皆大笑いしながら聞いていた。連ごとの内容も、身近に考えることができるものが多く、提示した絵の助けもあってイメージを深める活動がよくできた。特に、看護婦さんやよっぱらいの連では、自分の経験と重ね合わせながら思ったことを話してくれる子供が多く、イメージが広がった。

(2)活動2
・ 「この」が、前の連までの全部を指しているということに気付かない子供が多かった。簡単な指示語については既習だが、「この」の指す部分がこれまでになく広い範囲だったので混乱したようだった。「この」は、4連までと5連以降をつなぐ重要な語句なので、本時でも時間をかけたが、以後も指示語については場面に応じ、繰り返し指導した。
・ リズムをつけて音読することが、皆とても生き生きとでき、音の響きを繰り返し楽しんだ。繰り返しの手法もよく理解でき、身に付いたようであった。
・主題に関わる5連と6連の内容については、4連までの印象が強すぎて、この段階ではあまりイメージを深められない様子であった。部分読みを繰り返すと共に、「ほかにもある」ものを探す活動(活動3)へとつなげ、理解を図った。

(3)活動3
・ 経験した事や、生活の中の疑問を題材に、どの子も伸び伸びと詩作を楽しんだ。発表の場では明るい笑い声が絶えず、それぞれの発想を互いに認め合い楽しみ合っていた。
ワークシートの「自分で作った詩はどうですか。」の問いには、全員が「おもしろかった。」 「いい詩ができた。」「また作りたい。」など回答した。
(詩作例)
「おとうさんがいつもしごとにいくとおもったら おおちがい。」
「先生はいつもべんきょうばかりしているとおもったら おおちがい。」
「おかあさんはおこってばっかりだから ぼくのことがきらいかとおもったらおおちがい。」
「おねえちゃんはいつもやさしいとおもったら おおちがい。」
「わたしはピアノがじょうずとおもったら おおちがい。」
「女の子より男の子がつよいとおもったら おおちがい。」
「おにいちゃんはよくばりなんておもったら おおちがい。」
「○○くんはいつもいたずらばかりしているとおもったら おおちがい。」

(4)活動4
・ 友達とのつきあいの中でも、相手の本当の姿を知らずに何かを決めつけてしまっていたり、逆に自分らしく振る舞えず誤解されてしまったりすることもあることを話すと共に、見かけやうわさに惑わされず、お互い落ち着いて考えることが大切であることなどを話し、まとめとした。皆、教師の顔を見て、うなずきながら聞いてくれたことを嬉しく思う。
  
<授業を振り返って>  
● 興味を持って詩作することで、自分や身近な人、出来事などを見つめる体験がよくできた。それぞれの人権を尊重する態度も、曇りのない目で人や物事を見つめる態度や能力の中から培われていくのではないかと思う。言語感覚を磨くことによって、これらの態度や能力が更に身に付くよう、これからも国語科の指導に力を入れていきたいと思っている。
● 全体にやや急ぎ足の授業となったが、音読する時間を何度も取ったことで、詩への親しみも増したようだった。授業後もしきりに唱えている姿があちこちで見受けられ、嬉しく思った。

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