KYT(危険予測トレーニング)




 昨年(2011年)起こった東日本大震災に伴う津波被害について、その災害の恐ろしさと、生き抜いた人々の行動の仕方を紹介し、これらの事象から何を学び取るべきか、万が一の事態でどう行動すればよいかなどを話し合う授業を行った。





 はじめに、全校児童108名のうち、74名の死亡・行方不明者を出した大川小の被災の様子を伝えた。Google mapで地形の特色も確認。更に、宮城県が作成した津波浸水予測図(ハザードマップ)も見せ、そこにいた人々の想定をはるかに超えた被害だったことを話した。
 
 他に、父母達が建立した「子まもり」の像や、こどもの日に向けた鯉のぼり、クリスマスに飾られたクリスマスツリーなどの画像も見せ、子ども達の死を悼む気持ちに共感させた。


DSCF1151.JPG



 続けて、被災後の越喜来小学校の画像と、海岸から、わずか200mの距離にあることを示すGoogle mapを提示した。子ども達は、大川小と変わらぬ有様に、ここでも多大な被害が出ただろうと予想した。

 しかし、死者は0名である。しかも、三陸町内の他の学校でも死者は出ていない。このことに皆、とても驚いていた。

 更に、学校外で過ごしていた釜石小の子ども184名も全員自力で避難し、無事だった。津波警報は、避難後、高台で聞いたという素早さである。釜石市内約3000人の児童・生徒も、ほとんどが生き延びた。

 釜石小や釜石東中、鵜住居小の被災後の校舎の写真や地形図等を提示した後、彼らがどのように避難したか、これまで何を教えられていたのか等を伝えた。

 

 キーワードは、
「津波てんでんこ」と 群馬大学教授 片田敏孝さんの唱えた「避難の三原則」、そして「KYTのKYT」。(私のイニシャルはYKなの。TはteacherのT。もうひとつのKYTは、K=あらゆる可能性を考え、Y=油断せず、T=命を大切にする。



■各自で、学んだことや感想をプリントに書き込んだ。

■最寄りの友達と交流

■全体発表






■去年、被災地に送った手紙の返事も、被災地の様子を知る教材とした。


以前、読み聞かせした「がれきの中で本当にあったこと」の中に、
親が子どもを迎えに行って被災した話がある。
それゆえ、自分がしっかり避難できる子どもなんだと
親に信頼してもらえるようにしておくことは、
親の命をも守るのだということも、伝えておいた。

最後に、井上ひさしさん作曲の釜石小校歌を紹介。
自分の足でしっかり立つことの大切さをしみじみと感じる歌詞である。
何があっても希望を捨てず、生き抜いてほしい。
それは津波のことだけを言っているのではないんだよ、
そんな気持ちで授業を終えた。

大川小の「子まもり」の像の話では、涙をぐっとこらえた。
ほんとにつらい出来事だった。





■子ども達の感想

自分の命は自分で守って逃げたい。家族にもすぐに逃げるよう伝えたい。

あんな大震災でもちゃんと避難すれば死者が出ないことが分かった。

災害の時は
KYTを思い出して行動したい。

他のことは気にせず、まず自分の命を守らなければならないことが分かった。家族も、ぼくのことは気にせず自分の命を守ってほしい。

家族には、自分は大丈夫だから心配せずに逃げてほしいと伝えたい。

家族には自分を心配せず逃げてほしい。そして避難した後、どこで待ち合わせるか決めておきたい。

みんなが気を付けたら全員が生き残れることが分かった。自分の判断で行動すればいいことが分かった。家族とは食べ物などをちゃんと用意しておこうと話し合いたい。

避難3原則を家族にも伝えたい。

油断してはいけないこと、自分の命は自分で守ることが分かった。

ハザードマップがあっても決して安心とは限らない。周りに小さい子どもなどがいれば一緒に逃げてあげたい。家族には、集合したりせず、少しでも高い所に逃げるよう伝えたい。

亡くなった人が誰もいなかった学校はすごい。そんな学校がたくさんあったことを初めて知った。私も災害があったらすぐに避難して、周りにいる人も助けながら避難したい。

私の家は津波が来たらすぐに流されるくらい海に近いので、お年寄りとか小さい子の手を引いて率先避難者になりたい。

災害の時は
KYTを思い出し行動する。自分から動く。普段から高い所はどこか知っておく。家の人と災害の時どうするか相談しておきたい。

想定にとらわれないことが大切と分かった。

3原則を守って避難したい。家族とはどこで集合するか決めておきたい。

先生の言った3原則を守りたい。自分から率先して避難したら、分からない人も避難すると分かったので災害の時は守りたい。

最善を尽くし、命を大切にしたい。いつでもどこでもKYTをしたい。油断禁物と家族にも伝えたい。

家族には、自分を優先させて逃げてと伝えたい。

もし災害に遭ったら家族を信じてとにかく逃げることが大事だと分かった。最善を尽くし、油断せずに逃げたい。

助かると信じ、3つの原則を守って行動したい。

自分で判断し、自分の命は自分で守りたい。

素早く慌てず、人のことも考え、自分のことも考える。何があってもめげずに頑張る!


<日記より>

 家に帰ってお母さんと話をした。住んでいる所で地震が起きて、もし私達が学校にいたら、お父さん・お母さん達は迎えに来ないで自分達で逃げてねと伝えた。そして、冬に電気が使えなくなったら寒くてもストーブが使えないので、電気がなくても灯油だけで使えるストーブを1台買わないといけないねと話し合った。水や食料もすぐに持って行けるように用意しないといけないと思った。もっとKYTの勉強をしていろいろ深めたい。

 家族との待ち合わせ場所を前もって決めておいたら、落ち着いて行動できると思う。私達家族では、もう決めているので、津波が引いたらそこへ行きたい。

 僕の家は、平田川と末武川にはさまれているので、大津波が来ると絶対に水没してしまう。だから、近くにある山に逃げようと話し合った。想定にとらわれず、少しでも高い所に逃げて、最善を尽くし、小さい子など誘導できるような人になりたい。もしもの時、自分が何をどうするべきか考えていきたいと思った。

inserted by FC2 system