+ + おちた こつばめ(道徳:2年) + +



【資料のあらすじ】
 
 たかしくんは、公園でツバメの赤ちゃんを拾った。家に持ち帰り、名前もつけて世話をしたが死んでしまう。
 公園のおじさんに尋ね、野生の鳥を人が育てることはとても難しいことを知る。
 


【学習の流れ】
1 本時の課題を確認し、巣から落ちた子鳥を見た経験を伝え合った。

学習課題「野生の生き物との付き合い方を考えよう。」

 ここでは、3名の児童が、子鳥を見つけた時のことを発表した。
 そして、親鳥の気持ちや子鳥の気持ちを想像させた。
 
 その後、「日本野鳥の会」のパンフレットから、「巣立ち前」と「巣立ち後」の子鳥の姿の比較をした。
 巣立ち後の姿はほとんど親と見分けがつかないが、飛ぶのも辿々しい子どもの鳥なのだということが、人間とも比較してみる(生まれたての赤ちゃんと高校生のお兄さん・お姉さんとの違いを想起させた)ことで、2年生の子ども達にも分かったようだった。

2 資料を音読し、公園のおじさんの言葉をヒントに、たかしくんはどうすれば良かったのか、各自で考えワークシートに記入した。そして、それをもとにグループで話し合い、主な意見を一斉の場で発表し合った。

 この時に出た意見は次の通りである。
・巣を探して返す。
・他の鳥の巣かもしれないからよく確かめる。
・自分で飛ぶので、木に乗せる。
・親鳥がいれば、その場を離れる。
・放っておいて様子を見る。親鳥が来なければ保護する。


 資料を通読し、話合いの前に公園のおじさんの意見を確認したことで、「連れて帰って世話をする」などの一番出そうな意見が出ず、話合いを焦点化させていくことができた。

 その後、同じく「日本野鳥の会」のパンフレットにより、4つのケースによる対処方法の違いを紹介し、自分達の意見と比べさせた。「動物病院に連絡する」以外は、全て児童の発表と同じだった。

 4つのケースとは、
じっとしていて動かない。
けが(出血など)をしている。
カラスや猫などに襲われそうになっている。
元気そう。(動ける、よく鳴く など)

3

 キジバト・ヒヨドリ・ツバメ・シジュウカラ・ムクドリ・スズメの写真を示し、どの鳥が、活動1で示したどの子鳥の親か予想し合った。

 ツバメなどは簡単に分かったが、親と子で色や形の違う鳥も多く、見かけだけで親子と判断するには危なっかしいということが確認できた。
4 本時の学習で分かったこと、今後気を付けたいことをワークシートに書き、学習を終えた。





【学習活動2でのワークシートへの書き込みより】
〜たかしくんは、どうすればよかったのか。〜


<巣を探す・巣に返す>
 巣に返してあげる。(6人)
 巣がなかったら、巣を作る。
 近くに巣があったら、そこに置き、親鳥に返してあげる。
 子ツバメを捕らない。見つけたらすぐ巣を見つけて返す。
 近くに巣があれば、落ちている鳥の巣かどうか確かめて、落ちている鳥の巣だったらそこに返せたら良かった。
 親鳥が帰ってくるまでいなくなるといけないから、親鳥が帰って来るまで待つ。できれば本当の巣に戻す。
 たかしくんは、野生の生き物を育てるのが難しいと分かっていなかったけど、野生の生き物は育てるのが難しいから、巣を見つけて戻してあげればよかった。
 

<親鳥を探す> 
 親鳥が、近くの電柱、木、家の屋根の上にいるかもしれない。
 拾う時に回りを確認して、親鳥がいたら離れていればいい。
 親がいたら近くに置く。いなかったら元の場所に置く。
 親鳥を探して、近くにいたらその場においておく。
 親が近寄れないでいるから、すぐ離れる。

<安全なところに置く・様子を見る>
 落ちていたところの一番近くの木に乗せてあげる。
 道路に落ちていたら、木に戻してあげる。
 木に戻してあげたら良かった。(2人)
 安全な場所に連れて行ったら良かった。
 親鳥がそばにいるか確認する。いたら返す。(3人)
 飛べそうになったら逃がしてあげる。
 そのままおいておく。様子を見た方がいい。保護してもらうのがいい。
 餌を食べさせて逃がしてあげて学校に行けばよかった。
 お父さん・お母さんと相談する。



【活動4:振り返り】〜ワークシートより〜
〜分かったこと・これから気を付けたいこと〜


まだ子鳥が落ちているのを見たことないけど、もし落ちていたら今日習ったことをしたい。
見つけたらすぐに、近くに巣があるか見つけて、巣があるところの木に乗せる。
もし落ちていたら、近くに巣があるから気を付ける。
なぜ、前に拾った子鳥が死んだのか分かった。
鳥のことが知れてよかった。鳥が落ちていたらどうすればいいか分かった。
飼うのは難しいので、落ちていても巣に戻すか、木に乗せたい。
木に戻すとよいことが分かった。巣に戻すかそのままにしておく。(2人)
違った巣に置いたらいけないから気を付ける。
鳥についてよく分かった。
落ちていたらすぐ離れる。動物は人間と違って死にやすいから、親鳥がいたら離れる。
具合が悪ければ動物病院に連れて行くことが分かった。
ほとんどの人が発表をしていて、よく聞いて分かった。もし落ちていたら置いていく。 見つけても家ですぐ飼うわけにはいかないことが分かった。
傷ついていたら動物病院に電話したい。(2人)
鳥が倒れていたら何かしてあげたい。
落ちた鳥がいたらどうしたらいいか分かった。
ケースによって助け方が違うのが分かった。
鳥が落ちているのも巣も見たことないけど、今度見たら助けてあげたい。
野生は、飼うのに難しいことがよく分かった。
巣を見つけて戻す時、親鳥をびっくりさせないようにそっとおいてあげたい。
元気でも、親が見つからなかったら市役所に連れて行きたい。
野生は育てるのが難しいことが分かった。
巣にもどせばいいことが分かった。




 本時では、日本野鳥の会のパンフレットを基にして、野生の子鳥に関する様々な情報を盛り込みながら授業を進めた。
 子ども達にとっては巣から落ちた鳥をそのままにしておくのは、とても薄情なことに思えるかもしれないのだが、親は子どもの声を聞き分けるのでそれが最善であることなど、たかしくんの話等によってすんなりと受け入れることができたのは幸いだった。
 
 この資料と同じように、学校生活の中でも、良かれと思ってしたことでも、立場を変えて見ると相手にとってとんでもないダメージを与えてしまうこともあるので、今後の生活指導にも生かせる資料だったと思う。

 今の時代、遊びといえばDS等のゲームばかりで、運動場で集合しても一人一人がゲームをしているような子どもも少なくない。学校に来て友だちと会っても、ゲームの話ばかりに花が咲くことも多い。しかし、そればかりでは健全な育ちはできないだろう。自然の中で伸び伸びと遊んでほしいし、動植物と触れ合ってもほしい。野生の生き物へ興味をもち、知識も深め、みずみずしい生命と触れ合う体験もどんどん積み重ねてほしいと思う。そして、幅広い感性をもった人に育っていってほしいと思っている。


 
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