米倉斉加年 「おとなになれなかった弟たちに・・・・・」の読み聞かせ (5年)

 この本を読む時、いつも胸がキリキリする。大声で泣き叫びたい衝動に駆られる。
 作者の心を表すような無彩色の悲しい絵も、このお話の悲惨さを一層際立たせている・・・。痩せてガリガリの身体
の少年が、弟をおんぶして、泣きながら配給のミルクを飲む絵は、悲しくて見ていられない。かわいくてかわいくてた
まらない弟のミルクを、少年は泣きながら盗み飲む。少年は一生涯、この罪から逃れられず、苦しみ続けるのだろう。
原罪を背負った弟思いの少年は、まさしく、私自身でもあり、あなた自身でもあるのだろう。

 今までの読み聞かせでは、読後に意見交流する時間が設定できず、物足りなく思っていたので、今日は少しだけ
だが感想を聞いてみた。

読み聞かせの後の子どもの感想
T 「この絵本どうだった?」
C 「かわいそうだった。」
T 「誰が?」
C 「赤ちゃん。死んでしまってかわいそう。」
C 「たったの1年も生きていない。」
C 「お兄さんもかわいそう。弟がかわいいけど、自分だって生きたいからミルクを飲んだんだと思う。」
C 「弟のミルクを飲んじゃダメってことは分かっていたのに、飲んでしまった。」
C 「お母さんもかわいそう。着物を売ったのが勇気がある。売らなければ生きていけないからだと思うけど。」
C 「お母さんは、自分は食べなくて、子どもにご飯をあげて、親戚の人からも邪魔にされて、とってもかわいそうだ。」
C 「大人になる前に死んでしまったから、やっぱり赤ちゃんがかわいそう。」
C 「ミルク飲んだのがいけない。自分だったら絶対飲まない。」
C 「僕は、なってみないと分からない。こんなに痩せて、飲みたい気持ちはすごく分かる。」
C 「お兄さんは、痩せて、弟のミルクしかなかったんだから、自分が死ぬのはいやだから、仕方なかったと思う。いっぱい泣いている。」
C 「いとこのお母さんは、赤ちゃんを産んで、体重が軽過ぎて死んでしまった。周りのみんな悲しんだ。せっかく生まれたのに生きれなくて、すごくかわいそうだった。弟が死んで、悲しい気持ちがすごくよく分かる。」
C 「病名もなくて、栄養失調だってところがすごく悲しい。」
C 「まともな食事もなかった時代だから。」
C 「夢も果たせなかった時代なんだから。」

T 「夢、果たしたいよね?」 
C 「戦争がなかったら、夢は果たせると思う。」
C 「戦争に行ってない人も、みんな戦争で傷付いた。」
C 「戦争がなかったら、みんな十分食べれたんじゃないのかな?」
C 「戦争があって食べれないし、いい生活も全然できないから、戦争なんかなければいい。平和だったらこんなことも起こらない。」
C 「戦争は怖い。いつ死ぬか分からない。殺されるかもしれない。」 


 たった10分間くらいの交流だったけど、読みっぱなしで終わるより、こうやって感想を表現し合う方が、読みも深まり、友達との相互理解も深まるなと今更ながら思った。

 ただ、戦争さえなければという思いは、正しくもあるが極めて一面的でもある。そのへんを今後じっくり学び取っていかなければならないと感じた。
また、たとえ10分程度でもせっかく意見交流するのなら、作者は弟「たち」に何を伝えたいのか、そういった主題を意識した発問を用意すべきだったと反省した。

 もうかなりの本を読んできたので、今後は話をきちんと振り返り、発問も精選し、有意義に話し合いながら学習を進めていきたいと思う。

・・・というわけで、いきなりやって失敗編の記録でした・・。(^^ゞ







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