ふるさとに帰れない〜第四次  伝え合おうメッセージ〜(5年:総合)

 
午前中の、太田さんの話を想起させた。太田さんは「差別する心は誰にでもある。」「差別に気付いたとき、その人の悪いところを見るのではなく、いいところを見よう。」と話された。この言葉を元に、自分の心を見つめてみようと投げかけた。
ちょっと前の話だが、私が授業中、「私も人を差別する心を持っている。」と言うと、数人の子が「え?」「先生が?」と驚いていた。その反応に私も驚いたが、またの機会にと思い、その時掘り下げて私の差別心について語ることはしなかった。平和学習や宿泊拒否事件を扱った時も、改めて自分を語ることをしなかった。太田さんは、初めて来られたこの学校で、亡くなったお兄さんへの差別心を語って下さったのに、授業者の自分が語っていなかった・・・それを深く反省した。ここでは、「差別する心は私にもあるし太田さんにだってある。校長先生にも教頭先生にもある。誰にだってある。」と切り出したが、この投げかけ(本時の課題)が、子供によく理解できたかどうか、ちょっと不安に感じた。(反省)

お話を聴いて分かったこと、思ったことを、小グループで話し合わせた。
後で発表しなくちゃならないので子供たちも不安だったようだ。話し合った後で自分の考えをメモして私に見せたり、こんなことを話したんだけど・・・と私に話しに来る子がたくさんいた。
お話を聴いて思ったことや、自分の考えを発表するよう促した。
<子供の発言>
・ 後遺症がない人もいることを初めて知った。
・ 感染しないという証明書をもらったのに学校に来させないなんて、太田さんの先生もすごい差別だ。
・ 太田さんが障害を乗り越えていることが分かった。
・ 見かけで判断してはいけない。
・ 社会復帰した人とも、みんな普通に触れ合うべきだ。
・ 太田さんの実家のお兄さんも、太田さんの話を聴いてほしい。
・ その人のいいところを見つけて、差別する心をなくすといいことが分かった。友達と仲よくしたい。
・ 差別の心は誰にでもあるけど、早くなくしたい。
・ 今まで私は、友達の悪いところを見ていた。
・ 自分だったらどういう気持ちか、いつも考えていたい。
・ 相手の気持ちを考えることが大事。
・ 私は、沼田鈴子さんのお話との共通点を考えた。差別する心が、隔離やいじめや戦争を生んだのだと思う。
・ 私は被害者の気持ちになって考えてみた。差別された時は少し我慢して、解決したら加害者に話したい。
・ 私も差別していた。これからは友達のいいところを見習いたい。
・ 自分のいいところも見つけたい。
・ 友達と注意し合いたい。
・ 反省することが大事だ。
・ 町で障害者を見かけても、変だと思わないようにする。
・ 差別は簡単だけど、いいところを見たい。
・ 言葉の差別もある。
・ 大人の差別が今の社会を作っている。他の学校も、ぼくたちみたいに差別についての勉強をいっぱいしたら、ぼく達が大人になった時に、いい社会ができると思う。


最後に、授業を参観して下さった太田さんから言葉をいただいた。子供たちの学びを誉めて下さった。子供たちも、とても喜んで、授業が終わるとすぐに太田さんに駈け寄っていた。

授業を見ていただいた。ちょっと暇だったかも・・・?

太田さんは、「顔に後遺症があるので社会復帰はしない。」と言っておられたが、この子達が大人になった頃には、社会復帰が当然の世の中が来るかもしれない。我々大人が実現できなかったいい世の中を、この子達は築いてくれるかもしれない・・・そんなことを感じた。条件付きの人権尊重なんて、ほんとの人権尊重とは言えない。太田さんはじめ、療養所のみなさんが、大手を振って堂々とふるさとに帰れる日が、早く来ますように!

<子供の日記より>
・ 詳しい話が聞けたのでよかった。国語の教科書の菊池渓谷もご存知で、行ったことがあると言われたけど、お姉さん達と一緒に楽しく遊んだんじゃないかな。
・ 黒川温泉ホテルの事件は、とても失礼な謝り方で、そこは倒産した方がいいかもしれない。
・ また会えたら是非会いたい。
・ 私はずっと、早く会いたい、いろんな話が聞きたいと、待っていた。太田さんはとても優しくとても温かかった。ウルトラクイズは太田さんにもうけていたので、やった甲斐があったなと思った。
・ 学校で教えないと、知ってる人が伝えていくだけじゃ、大人になって差別をしてしまうかもしれないと思う。
・ 私たちが学んだことを他の学校にも伝えたい。
・ 羊は白いから、好きな色は白かなと思ったけど、好きなのは水色だった。
・ 僕は勉強する前に太田さんに会ったら、ハンセン病は恐いと思ったと思うけど、勉強してたから恐くなかった。障害のある人を差別する人がいることが分かった。
・ 太田さんが廊下を通る時、4年生とか6年生がじろじろ見ていて、なんかいやな感じだった。今日はいい心の勉強になってよかった。
・ 金持ちの女と若い女、どっちが好きか聞いたら若い女と言ってくれて、これはおもしろかった。
・ 3年生の頃は、指がしびれる程度だったのに、今はもう指がなくなるほどにまでなってしまって、大事に療養してたら指もなくならなかったのに、そこまでさせたのはやっぱりひど過ぎだと思った。
・ ハンセン病は恐くないことがよく分かった。握手する前はドキドキしたけど、握手する時はドキドキしなかった。会えてよかったなと思った。
・ 私はすごく楽しみにしていたので、会えた時はとても嬉しかった。だから、質問の時も頑張って大きい声を出した。太田さんはとても話がうまいので、ひとつの質問に、時間をかけて詳しく言ってくれた。ウルトラクイズの時、ちょっと意外だったのは、野球観戦よりサッカー観戦の方が好きだったこと。給食の時は一緒の机で食べれてすごく嬉しかった。私は最初の時もハグしたけど、もう会えないかもしれないから帰りにもとびっきりのハグをした。
・ 私は発表する時に、相手の気持ちを考えて、大きな声で発表できた。みんなは差別をする人の気持ちを考えていたけど、Hさんは、それと反対の立場でも考えていたからすごいと思った。私も見習いたいと思った。太田さんと出会えて、とっても楽しい1日だった。
・ ぼくは太田さんがいらっしゃるのをとても楽しみにしていた。この日、ぼくが一番大切だと思ったのは、見かけで差別をしてはいけないということだ。
・ 太田さんはすごく遠いのに、わざわざ来てもらえて嬉しかった。
・ 太田さんを初めて見た時は、これが後遺症かと思った。お話を聞いて、小3の時は元気だったのに、少し病気になっただけでいじめとか入所者の中のいやがらせだとか、私は全然想像してなくって、病気になった人にここまでするか?と思った。
・ ぼくは太田さんに会って、普通の人と変わらないと思った。
・ ぼくは太田さんにいっぱい質問した。質問すると太田さんは1〜4年生くらいの時まで幸せだったことが分かった。太田さんは、「差別の心は誰にでもある」とおっしゃっていたけど、隔離した人達は、まだ差別がだめということは習わずに大人になったのかと思った。法律を決める人とかは、差別がいけないという心をちゃんと持ってほしいと思った。
・ この勉強をするまで、私は差別をしていて、よい面を見ずに生活していた。でもこの勉強をして、ものの考え方がすごく変わった気がする。太田さんに会えて本当によかった。
・ ぼくは休み時間に太田さんの背中にくっついて遊んだ。太田さんはつらいことをわざわざ思い出して話してくれて、とっても優しいと思った。
・ 手とか不自由で、とってもいやな思いをして来られたことが分かった。話全部が悲しい話で、私はとても悲しくなった。
・ この世から差別はなくなってほしい。

<保護者の感想>
・ プリントや資料で前もって勉強していたが、太田さんのなまのお話を聞くことができたことで、子供たちひとりひとりが、心から感じることができたと思う。


<太田さんへ、お礼の寄せ書きをした> <菊池恵楓園へ、励ましの寄せ書きをした>

2003年11月21日

Copyright (c) 2000- yoshiko. All rights reserved.

inserted by FC2 system