動物の権利(フォアグラ編) (6年:道徳)


授業の流れ
知る ハンガリーやイスラエル・フランスがフォアグラの産地。
アメリカやカナダでも、それぞれ毎年約50万羽のアヒルが、フォアグラのために殺されている。
そのほとんどが、狭い檻の中に閉じ込められ、強制給餌されている。

フィーダー(給餌人)は、一羽ずつ頭とくちばしをつかんで口を開けさせ、鳥の喉に50cmもある給餌パイプを差し込む。
給餌パイプからは、鳥の体重の1/4か1/3の膨大な量のとうもろこしと油性混合物が、彼らの食道・胃に流し込まれる。
これが一日3回、3〜4週間続く。

この処理によって、彼らの肝臓は標準サイズの10倍まで膨れあがる。
肝臓が他の器官を圧迫し、息をすることも歩くことも難しくなる。
動こうともがくことで、彼らの脚と胸は、いっそう傷付けられる。
やがては羽づくろいも、水を飲むこともできなくなる。
金属の給餌パイプが彼らの首を傷つけることもある。窒息して死亡することもある。


現在、次の国々では、法律でフォアグラを生産するための強制給餌を禁止している。
EUも禁止令を検討中である。
 
 ・カリフォルニア(2004年)・ シカゴ(2006年)・オーストリア(9州のうち6州)・ チェコ共和国(1992年)・ デンマーク(1991年)
 ・ フィンランド(1996年)・ ドイツ(1936年と1993年)・ イタリア(2004年)・ ルクセンブルク(1965年)
 ・ ノルウェー(1974年)・ ポーランド(1999年)・ トルコ・ オランダ・ イスラエル・ スウェーデン
 ・ スイス・ イギリス・南アフリカ
 
 また、世界中の多くの施設が、その残酷さを知った後、メニューからフォアグラを排除している。
考える なぜ人間は、アヒル達をこんなに傷付けるのだろう?」
話し合う 「世界三大珍味のフォアグラってどんな味なのかな?食べてみたい?」


この頃子ども達によく話すことなのだが、今回も「無知の知」について話した。
知るということは何とありがたいことなのだろう。ほんとに世の中には、知らないことが多過ぎる。
アンテナを張り巡らせ、心の目をしっかりと見開いて、知り、感じなければ、
いつの間にか何か大きな力に絡め取られ、何も感じなくなっていってしまいそうな気がして恐くなる。

この現実を知った今、自分の良心ときちんと向き合わなければならない。
自分の在り方を、我々はどんなふうに考えればよいのだろう。



話し合い=子ども達の意見













 実はちょっと食べてみたいと言った子が1人と、あとは全員「絶対食べたくない。」「そこまでして食べなくてもいい。」という意見だった。

 全員で、それぞれの考えの根拠を述べ合った。
食べてみたい理由
・味を知りたい。
・そんなにまでして作るということは、とてもおいしいのだと思う。
食べたくない理由
・かわいそう。本当の事を知ってびっくりした。あひるも苦しいと思う。世界中で止めるべきだ。動物にも幸せに生きる権利がある。

・法律で禁止した国を見習いたい。人間は自分勝手だ。差別だと思う。そこまでして食べなくてよい。日本も禁止してほしい。

・病気の肝臓を食べたら安全がない。お金がかかる。おいしい食料は他にもある。人間は自分のためだけを考えている。

・私はアヒルがこんな死に方をしているなんて最悪だと思った。大人も、自分が動物だったら、こんなことをされたら嫌だと思う。動物の権利を大切にした方がいい。

・牛や鳥や豚は、人間に食べられるために生まれてきたのではないのだから、こんなことをしてる人は最低最悪と思った。

・むりやり食べらせるなんてひどい。動物だって生きているんだから、これは虐待ではないのか?でもだからって肉を食べちゃいけないってわけじゃないけど、フォアグラだってもう少しいいやり方があると思う。

・動物の声・・・「痛いよう。」「狭いよう。」「恐いよう。」「やめてよ。」

・アヒル達がとてもかわいそう。動物にも生きる権利があるのに、こんなことをするなんていけない。世界の国が全部こういうことを止めればいいと思う。

・ぼくはもうフォアグラを食べない。理由は、今そう決めたから。

・動物や鳥を無理矢理殺して食べ物にしてはいけないと思った。

・人間は動物を大切にしないといけない。動物は食べ物にされてかわいそう。人間が苦しいことは動物も苦しいことだと思う。人間は動物のことをよく考えるべきだ。

・動物に生きる権利を与えてほしい。そこまでして食べなくていい。人間の食事のために動物にひどいことをしてかわいそうだ。

・フォアグラを作るために、何十万羽も殺すなんてかわいそうだ。子牛達にも感謝したい。生まれてずぐに暗い所に連れて行かれて小さいうちに殺されるなんてとってもひどいと思った。

・あんなひどい生活を続けているなんて苦しそうでかわいそうで・・。そこまでしてフォアグラを食べるのかと思った。いくらおいしいからって、そこまでしなくても。フォアグラを封印するのもいいと思った。せめてもっとアヒル達に優しく、無理矢理じゃなくてアヒルのためにも考えてほしい。

・そこまで頑張ったアヒルのためにも、ある限りは食べないとかわいそうなのかもしれない。

・動物を殺して食べて、まさに弱肉強食だなと思った。これからお肉とか魚などを食べる時はありがたみを持って食べたい。

・日本も強制給餌を法律で禁止したらいいのになと思った。あと、日本は犬を30万匹くらい殺しているとテレビでやっていて、私は今犬を飼いたいなと思っているので、飼う時は責任を持って大事にしたいと思った。

・フォアグラなどは食べなくても大丈夫なものなので、食べるのを止めたらいいのになと思った。

・命はみんな平等だから、こんなことは止めて、年で死んだり病気で死んだりした動物を食べればいいと思う。

・人類は愚か者。でも私もその人類と一緒にされたくはない。

・残酷過ぎる。自分がされていやなことは人にしてはいけない。するのはおかしい。そこまでしてフォアグラを食べようと思う人々の心はおかしい。いくらおいしくてもそこまでするだろうか?

・世界中の全ての人がこの現実を知るべきだと思う。「無知の知」は大切だ。

・でもフィーダーも好んでやっているとは思えない。好んでやるはずがないと思う。自分が何をしているのか分かってないのでは?世界中でフォアグラを禁止するべきだ。絶対。日本でも飼い犬を殺処分するような無責任な人が多過ぎるので、殺処分もなくせばいいと思う。

・日本が排除した国の一覧に出ていないのが悲しい。動物実験も最低だ。動物を無駄に殺すようなことはいけない。生存権の違反にあたると思う。せめて殺して食べるのだから、かなり感謝して食べるべきだ。

・殺すのは絶対悪い。野菜も一応命なので感謝して残さず食べるべきだ。動物だけ差別するのはいけない。平和主義なのに動物を殺し過ぎ。全然平和ではない。

・フォアグラや毛皮だって消費者が気を付けてそういうものを全く買わなければそういう物を作らなくなると思う。フォアグラのためにそんなたくさんのお金を使うぐらいなら、もっと人の役に立つ事に使ってほしい。

・金属のマシンをアヒルの口に入れて無理矢理食べさせてひどいと思った。これが1日3回、3〜4週間も続くなんてひど過ぎる。日本も法律を作った方がいいと思う。

・金属で無理矢理食べさせなくても、方法はあるはずだ。少しでも苦しませずに殺した方がいいと思う。

・動物虐待だ。人間同士でこんなことをすれば逮捕するのに、動物だと何も言わないし、逆に喜んだりするのはひどい。

・禁止している国もあるので、その国を見習わなくてはならない。人間の自分勝手な理由のために動物を殺すのはひどい。これも差別のひとつだと思う。こんなことをしたら絶滅する動物が出てくるのは当たり前。今、世界で出来ている技術なら、こんなひどい事をしなくてもいいはずだ。別の方法を見つける努力をしていないと思う。
  


 
話は白熱し、あっという間に時間が過ぎた。
全員の考えが聞けてとてもよかったのだが、資料が一面的だったと、少し反省した。
飼育農家の人や美食家、レストラン経営者などの話も収集し、提供するべきだったかもしれない。

終了時間間近となり、あまりまとめらしきことはできなかったのだが、
毛皮の話・グルメに好まれる子牛の話・食用肉の生産のこと、動物実験のことなど、少し話した。

そして最後に、生き方・生活の仕方はその人の選択だから、他人が決めつけたりすることはできないものの、
どうかこれからも、人の痛みも感じながら心豊かに生きていってほしいということと、
自分が幸せに生きたいと思うのと同様に、動物にも幸せに生きる権利があるだろうということを話し、授業を終えた。

翌日、定番の「傷つけられる動物たち」の読み聞かせをした。







 

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